安楽寺は吉見町御所にある真言宗智山派の寺院です。正式には岩殿山 光明院 安楽寺、通称「吉見観音(よしみかんのん)」。坂東三十三観音霊場 第11番札所で、本尊は聖観世音菩薩です。
約1300年前、行基上人が観音を彫り岩屋に納めたのが始まりと伝えられています。
厄除け朝観音は6月18日です(8月ではありません)
安楽寺でもっとも賑わう日が6月18日です。
この日は本尊の御開帳の日。そして夜明け前(深夜2時頃)から参道に出店が並び、「厄除けだんご」が売られます。早朝に参るほど御利益があるとされ、この団子を食べると1年の厄が落ちると伝わります。
「8月の厄除け朝観音」という情報を見かけますが、これは誤りです。8月9日・10日は「四万六千日」という別の行事(千灯籠)です。
公式サイトに記載された年中行事は次のとおりです。
- 1月1日 元旦会
- 2月 節分会
- 5月8日 花まつり
- 6月18日 厄除朝観音
- 8月9日・10日 四万六千日
- 9月18日 施餓鬼会
- 12月 冬至祭
- 毎月18日 祭日
毎月18日が祭日という点も覚えておくと、参拝日を選びやすくなります。
文化財は本堂・三重塔・仁王門
吉見町公式の説明が最も精密なので、それに沿って整理します。
- 本堂:埼玉県指定建造物。建築は寛文元年(約350年前)
- 三重塔:埼玉県指定建造物。建築は寛永年間(約380年前)
- 仁王門:埼玉県指定建造物。仁王像は吉見町指定彫刻(元禄15年=1702年)
つまり仁王門は県指定、中の仁王像は町指定という二段構えです。
三重塔は関東でも数が少ない形式で、比企の丘の緑の中に建つ姿が安楽寺のいちばんの絵になります。
源範頼が身を隠したと伝わる寺
吉見町公式はこう記しています。「源頼朝の弟範頼がその幼少期に身を隠していたと伝えられ、安楽寺の東約500メートルに『伝範頼館跡』と呼ばれる息障院がある」。
源義朝の六男・範頼は平治の乱(1159年)の後、比企の尼によって「吉見の岩殿山安楽寺に稚児僧としてかくまわれ命を助けられた」と伝わります。のちに吉見を領地とし、息障院の場所に居住したとされます。息障院はもと安楽寺の本坊でした。
安楽寺と息障院を歩いて結ぶ(徒歩で10分弱)というのが、この伝承を辿るルートになります。
紅葉の時期について
安楽寺は紅葉の名所としても知られますが、見頃の時期については注意が必要です。
公式サイトにも吉見町公式にも、紅葉の見頃を明記した記述がありません。参考になるのは、2023年11月23日時点の現地レポートで「紅葉がきれい」と報告されていること、そして同じ比企地域の嵐山渓谷の見頃が11月中旬〜12月上旬(2025年は11月20日〜30日頃)であることです。
これらから「11月下旬ごろ」が実態に近いと思われますが、確定した情報ではありません。訪問前に寺へお問い合わせいただくのが確実です。「10月中旬から」という情報は、埼玉県平野部の寺院としては早すぎます。
「ヒーリングナイト in 吉見観音」
吉見町商工会の主催で「ヒーリングナイト in 吉見観音」が開催される年があります。県指定の三重塔をプロジェクションマッピングで演出し、和傘をライトアップするという催しです。
- 2025年:令和7年10月18日(土)〜19日(日)17:00〜20:00
- 2023年:11月25日(土)〜26日(日)17時〜20時。雅楽・舞楽会、二胡演奏会、フレサよしみからの巡回バス
開催時期が年によって大きく動くのが特徴です(2023年は11月下旬、2025年は10月中旬)。紅葉と連動しているとは限りません。2026年の開催有無・日程は未発表なので、吉見町商工会の告知を確認してください。
アクセスは車かタクシーが現実的です
公共交通では行きにくい場所です。公式サイトが案内しているのは次の2つだけです。
- 東武東上線「東松山駅」よりタクシー10分(約5km)
- 関越自動車道「東松山IC」より20分
公式がバス路線を案内していない点から見ても、車かタクシーで向かうのが前提の寺です。駐車場は無料・約100台あるので、車なら気楽です。
納経(御朱印)の受付時間は霊場公式によると4〜10月 8:00〜17:00/11〜3月 9:00〜16:00。拝観料は無料です。
初詣と除夜の鐘
直近の情報では、初詣期間は2025年12月31日〜2026年1月15日、参拝可能時間0:00〜、例年の来場者数は約8,000人、駐車場無料とされています。
除夜の鐘は深夜0時を挟んで108回。一般の参拝者も並んで撞くことができます。山伏姿の僧がホラ貝を吹き、住職が最初の鐘を撞く。かがり火が焚かれ、青年団による甘酒・コーヒーの無料配布もありました(2016年の記録)。
約8,000人という規模は、箭弓稲荷神社の約35万人と比べると桁違いに静かです。混雑を避けて除夜の鐘を撞きたい人には向いています。令和9年正月の情報は未発表です。
名物の厄除けだんご
山門前には厄除けだんごを売る店があります。現在の店名は「厄除けだんご どびんや」と思われます(Instagramで営業を随時告知する形式)。営業日・営業時間は確認できなかったので、だんごが目的の方は事前に調べてから向かってください。
同じ日に寄れる近くのスポット
- 息障院(伝範頼館跡):東約500m。源範頼の伝承を辿るなら必須
- 吉見百穴(吉見町北吉見):国指定史跡の横穴墓群。ヒカリゴケと地下軍需工場跡
- 岩室観音:吉見百穴のすぐ隣。岩窟に懸造りの堂
- 箭弓稲荷神社(東松山市):2024年に国の重要文化財指定。無料のぼたん園
- 道の駅いちごの里よしみ:吉見のいちごと農産物
吉見百穴・岩室観音・安楽寺を車で結ぶのが、吉見町の定番コースです。
所在地・お問い合わせ
- 所在地:埼玉県比企郡吉見町御所374
- 電話:0493-54-2898(寺直通)
- 公式サイト:https://yoshimikannon.jp/
- 文化財について:吉見町生涯学習課 文化財係 0493-54-9111/観光イベント:吉見町産業振興課 0493-54-5027
- アクセス:東武東上線「東松山駅」からタクシー約10分(約5km)
- 車:関越自動車道「東松山」ICより約20分。駐車場 無料・約100台
- 拝観料:無料。納経受付 4〜10月 8:00〜17:00/11〜3月 9:00〜16:00
※紅葉の見頃、厄除けだんごの店の営業日、ヒーリングナイトの2026年の開催については未確認です。事前にお問い合わせください。
安楽寺(吉見観音)の情報
こちらは安楽寺(吉見観音)の基本情報です。実際の情報と異なる可能性がありますので、詳しくは公式サイトなどでご確認ください。
| 名称 | 安楽寺(吉見観音) |
| 読み方 | あんらくじ(よしみかんのん) |
| 所在地 | 埼玉県吉見町御所374 |
| 電話番号 | 0493-54-9111(吉見町役場/生涯学習課) |
| 営業時間 | <札所巡りの方>
(夏8:00〜17:00/冬9:00〜16:00)
※境内は常時開放しています。 |
| 定休日 | 無し |
| アクセス | 電車・最寄駅 東武東上線「東松山駅」下車 川越観光バス「鴻巣免許センター行き」久保田バス停より 徒歩約30分 車でのアクセス 関越自動車道「東松山」ICより約20分 0493-54-9111(吉見町役場/生涯学習課) |
| 駐車場 | 公式 | 安楽寺(吉見観音)のオフィシャル(公式)サイト |
| バリアフリー | |
| 備考 | 【訂正1】旧記事は「例年10月中旬から11月中旬までは境内の紅葉が最盛期」としていましたが、この時期は埼玉県平野部としては早すぎます。ただし一次情報で見頃を確定できませんでした(公式サイトの境内風景ページに時期表記がなく、tenki.jp/ウェザーニュースの「安楽寺」は京都市左京区の同名寺で別物)。同じ比企地域の嵐山渓谷が11月中旬〜12月上旬であることから「11月下旬ごろ」と幅を持たせ、要確認としました。/【訂正2】「8月の厄除け朝観音」という理解は誤りです。厄除朝観音は6月18日(本尊御開帳の日)。8月9日・10日は「四万六千日」です。/【訂正3】公式サイト https://yoshimikannon.jp/ が存在します(旧記事は吉見町のページを公式としていました)。/【訂正4】問い合わせ先を寺の直通 0493-54-2898 に差し替えました(旧記事の0493-54-9111は吉見町役場生涯学習課=文化財担当)。観光イベントは吉見町産業振興課 0493-54-5027。/【訂正5】旧記事の「東松山駅からバス+徒歩約30分」は公式の案内と異なります。公式は「東松山駅よりタクシー10分(約5km)」のみを案内しています。/文化財は吉見町公式が最も精密:本堂・三重塔・仁王門が県指定建造物、仁王像が町指定彫刻。Wikipediaは「仁王門=町指定」としていますが町公式を採用しました。/息障院が「東約500m」は町公式どおりで正しいです(Wikipediaの「南東約1km」とは不一致)。/厄除け団子の店は「どびんむし」ではなく「厄除けだんご どびんや」(Instagram @dobinya_)と思われます。営業日・時間は未確認。/ヒーリングナイトの2026年の開催有無は未発表。開催時期が年によって大きく動きます(2023年11月下旬→2025年10月中旬)。 |


