道の駅はにゅう(羽生市)金魚を売っている道の駅と、利根川の水の話
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道の駅で金魚が売られています。土産物の置物ではなく、生きた金魚です。 埼玉県羽生市にある「道の駅はにゅう」のことです。羽生市は日本有数の金魚の産地で、愛知県弥富、奈良県大和郡山と並ぶ三大産地のひとつとされてきました。この記事では、なぜ羽生で金魚なのかという水の話から、金魚の選び方、そして同じ水が育てたもう一つの産業について紹介します。 理由は水です。利根川の伏流水と、低地に広がる池が養殖に適していました。江戸時代から昭和期にかけて、羽生の金魚は全国に出荷されていました。 いまは生産者が減りましたが、市の特産として続いており、道の駅でも販売されています。金魚を道の駅で買って帰るという体験は、ほかの場所ではなかなかできません。 羽生市のキャラクターであるムジナもんも、この道の駅で会えます。羽生に伝わるムジナ(アナグマ)の伝説から生まれたキャラクターです。 金魚は品種によって値段も飼いやすさも変わります。はじめて飼うのであれば、おおよそこういう見方になります。 和金(わきん)はふなに近い体型で、もっとも丈夫な品種です。泳ぎが速く、池でも飼えます。琉金(りゅうきん)は丸い体に長い尾を持ち、いわゆる「金魚らしい」姿をしています。出目金は目が飛び出た品種で、目をぶつけやすいので装飾の少ない水槽が向いています。らんちゅうは背びれがなく頭に肉瘤が出る品種で、品評会の対象になるほどのもの。飼育の難しさでいえばこれがいちばんです。 買って帰るときは、袋の水をそのまま水槽に入れないのが基本です。袋ごと水槽に浮かべて30分ほど水温を合わせ、少しずつ水槽の水を混ぜていきます。せっかく産地で買った金魚ですから、最初の一手間をかけてあげてください。 羽生のもう一つの産業が武州正藍染(ぶしゅうしょうあいぞめ)です。経済産業大臣指定の伝統的工芸品になっています。 羽生で藍染が発展したのも、金魚と同じく水が理由です。藍染は大量の水を使い、染めた布を何度も洗います。利根川の水に恵まれた土地だからこそ成り立ちました。 作られていたのは主に野良着です。藍には防虫と抗菌の性質があり、布が丈夫になるので、農作業の着物に向いていました。実用品として広まった染め物で、絹の高級品とは出発点が違います。いまも市内に工房があり、藍染の製品が作られています。 金魚と藍染。まったく違う二つの産業が同じ市で育ったのは、どちらも利根川の水を必要としたからです。羽生という土地は、水で説明がつきます。 食事処の名物は和風ラーメンです。豚骨や鶏ガラを前面に出さず、醤油と和風だしで組んだ落ち着いた味のラーメンです。埼玉県北はうどんの土地ですが、道の駅のラーメンとしてはこれが定着しています。濃厚な味に疲れているときには、かえってありがたい一杯です。 羽生でもう一つ知られているのが羽生水郷公園です。ここにはムジナモという食虫植物の自生地があり、国の天然記念物に指定されています。 ムジナモは水中に浮かぶ食虫植物で、世界的にも自生地が極めて少ない植物です。1890年に牧野富太郎が東京で発見し、羽生のこの地が国内で唯一の自然自生地として残りました。キャラクターのムジナもんとは名前が似ているだけで、由来は別です。 併設のさいたま水族館は、海の魚ではなく荒川の淡水魚を中心に展示している珍しい水族館です。源流から河口までを流域順に見せる構成になっていて、金魚の展示もあります。道の駅で金魚を買う前に、ここで品種を見比べておくという順番もよいでしょう。 車の場合は東北自動車道の羽生インターチェンジから約10分です。電車では東武伊勢崎線と秩父鉄道の羽生駅からバスで向かいます。 営業は9時から18時30分で、休みは1月1日だけです。18時30分まで開いている道の駅は県内でも多くありませんので、冬の帰り道にも寄れます。 金魚を買って帰れる道の駅という一点だけでも、ここは訪ねる理由があります。水槽を置く余裕があるなら、産地で選んだ金魚を連れて帰るという土産はなかなか贅沢です。 さいたま水族館で淡水魚を見て、道の駅で金魚を買い、ムジナモの自生地を歩く。羽生の一日は、ほとんど水の話でできています。なぜ羽生で金魚なのか
どの金魚を選ぶか
羽生は藍染の町でもあります
和風だしのラーメン
ムジナモという食虫植物
アクセス・駐車場
道の駅はにゅうまとめ
