和樂備神社(わらびじんじゃ)は蕨市の中心に鎮座する、蕨宿の鎮守です。社伝によれば、室町時代に蕨を所領とした足利将軍家の一族・渋川氏が蕨城を築き、その守り神として八幡大神を奉斎したのがはじまりとされています。
社名の由来——誰が「和樂備」の字を当てたのか
「和樂備」と書いて「わらび」と読む、万葉仮名風のこの社名には、はっきりした出自があります。
神社の御由緒によれば、明治44年(1911年)に蕨町の村社八幡社に無格社18社を合祀した際、社名を「和樂備神社」と改称しました。そしてこの社名は、岡田健次郎町長の草案をもとに、東宮侍講・文学博士の本居豊穎(もとおり とよかい)が命名したものです。
本居豊穎は本居宣長の系譜に連なる国学者で、皇太子(のちの大正天皇)の侍講を務めた人物。蕨という地名に当てる漢字を、当時の第一級の国学者が選んだということになります。
合祀以前は「上の宮」と呼ばれ、「中の宮」「下の宮」とともに蕨宿鎮守三社を構成していました。江戸時代は三学院の末寺・成就院が別当として祭祀を掌っていました。
境内の神池は蕨城の御殿堀の一部です。昭和4年に渋川氏の遺跡「御殿堀」を保存するための寄付が発議され、今に残されました。
12月17日は「おかめ市」
和樂備神社の年中行事で最も賑わうのが12月17日です。
この日の市について、神社の公式サイトは「おかめ市」と呼んでおり、蕨市の公式サイトは「酉の市」と表記しています。日付は12月17日で両者一致していますので、地元では「おかめ市」、行政の案内では「酉の市」と覚えておけば混乱しません。
境内と南参道に熊手屋や露店が出て、縁起物の熊手を求める人で大勢賑わいます。
実務上の注意があります。公式サイトが「祈願については通常通り行いますが、おかめ市を行う関係で駐車場は使えません」と明記しています。12月17日に車で行こうとすると置き場所に困ることになるので、この日は徒歩か公共交通で向かってください。
ご祈祷は全面予約制になりました
ここは変更があった点です。現在、平日・土日に関わらず、ご祈祷はすべて予約制になっています。
- 受付:毎日 9:00〜16:30(電話)
- 神社事務所:毎日 9:30〜16:30、本殿左手脇の参集殿内
- 個人のご祈願:9:30〜15:30。所要時間15〜25分程度
- 初穂料:7千円(小神札)/1万円(中神札)/2万円以上(大神札)。各記念品付き。令和7年(2025年)9月1日より改訂
「ふらりと行って祈祷を受ける」ことはできません。必ず事前に電話または来社で予約してください。
七五三は9月1日から12月15日まで
令和8年(2026年)の七五三は、期間を9月1日〜12月15日とし、原則としてすべて予約制。祈願受付時間は9:30〜15:30です。
付き添いは祝い子の両親・兄弟姉妹・祖父母まで、拝殿後方の立席での参列となり、付き添いの座席は用意されていません。公式が「特に11月前半の土日の午前中は集中して混雑」と注意喚起しているので、日程に余裕があるなら時期をずらすのが賢明です。
年中行事
- 1月1日〜3日:初詣・新年特別祈祷
- 2月3日:節分祭
- 6月30日:ちのわくぐり
- 8月上旬:七夕
- 10月15日:例祭
- 11月:七五三詣
- 12月17日:おかめ市
なお公式の年中行事ページには「令和3年の豆まきは中止となりました」という2021年の注記が残っています。節分祭の豆まきが現在どうなっているかは確認できませんでしたので、2月3日に行く予定の方は事前にお問い合わせください。
境内の文化財
蕨市指定文化財として、木造八幡騎馬像、木造僧形八幡立像、水盤、宝篋印塔(享和元年銘)、天神社本殿、稲荷社本殿、三社敷石供養宝篋印塔などがあります。木造僧形八幡立像の胎内には天正11年(1583)の墨書銘が残っており、渋川氏の時代との繋がりを裏づける資料になっています。
社殿そのものは平成8年5月30日に全焼し、翌年6月に新社殿が完成したものです。平成22年に大鳥居、平成26年に参集殿が整備されました。
同じ日に寄れる近くのスポット
- 蕨城址公園:隣接。神社の神池は蕨城の御殿堀の一部です
- 三学院:市指定の藤棚がある真言宗の寺。藤は藤まつり期間のみ公開
- 旧中山道の蕨宿:蕨市立歴史民俗資料館が宿場の様子を伝えます
- 河鍋暁斎記念美術館:幕末明治の絵師・河鍋暁斎の作品を所蔵
所在地・お問い合わせ
- 所在地:〒335-0004 埼玉県蕨市中央4-20-9
- 電話:048-431-2549(受付 毎日9:00〜16:30)
- 公式サイト:http://www.warabi.ne.jp/~jinja/ ※httpsには対応していません
- アクセス:JR京浜東北線「蕨駅」西口から徒歩約15分
- 車:東京外環自動車道「戸田東」ICより約10分
- 拝観料:無料
- ご祈祷は全面予約制です
※12月17日のおかめ市当日は駐車場が使えません。
和楽備神社の情報
こちらは和楽備神社の基本情報です。実際の情報と異なる可能性がありますので、詳しくは公式サイトなどでご確認ください。
| 名称 | 和楽備神社 |
| 読み方 | わらびじんじゃ |
| 所在地 | 埼玉県蕨市中央4-20 |
| 電話番号 | 048-431-2549(和楽備神社) |
| 営業時間 | <社殿祈願>
9:30〜15:30 |
| 定休日 | なし |
| アクセス | 電車・最寄駅 JR京浜東北線「蕨駅」西口下車 徒歩約15分 車でのアクセス 東京外環自動車道「戸田東」ICより約10分 048-431-2549(和楽備神社) |
| 駐車場 | 公式 | 和楽備神社のオフィシャル(公式)サイト |
| バリアフリー | |
| 備考 | 【重要】12月17日の市は、神社公式の表記では「おかめ市」です(蕨市公式は「酉の市」)。日付は12月17日で両者一致。本文では両方併記しました。/公式が「おかめ市を行う関係で駐車場は使えません」と明記しています。実用上かなり重要なので本文に入れました。/ご祈祷は平日・土日に関わらず全面予約制になっています。旧記事の「社殿祈願9:30〜15:30」という書き方では予約制が伝わりません。/初穂料は令和7年(2025年)9月1日より改訂されています(7千円/1万円/2万円以上)。/社名の由来は公式の御由緒PDFが決定的で、岡田健次郎町長の草案をもとに東宮侍講・文学博士の本居豊穎が命名したとあります。/公式サイトはhttpのみ(httpsはhttpへ302)。リンクはhttpで書く必要があります。/公式の年中行事ページに「令和3年の豆まきは中止となりました」という2021年の注記が残っています。節分祭の豆まきが再開しているかは未確認。/住所は公式が「中央4-20-9」。/御朱印の料金・受付時間、駐車場の台数は不明です。 |


