聖神社(ひじりじんじゃ)は秩父市黒谷に鎮座する神社です。和同開珎(わどうかいちん)の原料となった自然銅(和銅)がこの地で発見され、朝廷への献上を経て建立されたと伝わります。近年は金運をもたらす「銭神様」として、全国から参拝者が訪れています。

この神社については、ネット上に出回っている情報と現地の実情が食い違っている点がいくつかあります。行く前に必ず確認してください。

【重要】沢への立入りは禁止されています

まずここです。秩父市の公式サイトが、聖神社と和銅遺跡の両ページに次の重要なお知らせを掲載しています。

  • 「落石の危険があるため沢への立入りを禁止しています。大変危険ですので、銭洗い等で沢へ入るのはご遠慮ください。」
  • 「『和銅採掘露天掘跡』を上から見学する山道について、崩落・落石の危険があるため現在立入禁止の対応を行っております。」
  • 「なお、『和銅採掘露天掘跡』は和同開珎モニュメント横から見上げる形での見学は可能です。」

「銅洗堀(どうせんぼり)」という沢で硬貨を洗うと金運が上がる——という話が広まっていますが、市が明確に自粛を求めています。和銅保勝会も2022年8月に「落石注意」として河川への立入禁止を告知しています。

露天掘跡はモニュメント横から見上げる形でのみ見学可。山道には入らないでください。

御神宝は宝物殿に収納されています

「和同開珎の実物が見られる」という情報を見かけますが、これも実態と異なります。

秩父市和銅保勝会の公式サイトによれば、御神宝は次の3種で、境内の宝物殿に収納されています。

  • 和銅石:創建当時の採掘分13個のうち現存2個。大=17.6kg(四貫七〇〇匁)、小=0.48kg(一二八匁)、ともに最高純度
  • 銅製蜈蚣(ムカデ)雌雄一対:元明天皇の御下賜と伝わります。雄=長さ13.9cm・足20対、雌=長さ14.4cm・足22対
  • 和同開珎(銅銭):旧記一巻・聖宮記録等とともに収納

秩父市公式も「大小2個の和銅石・和同開珎銭・和銅製の雌雄一対の蜈蚣(ムカデ)がご神宝として収められています」と記しています。

そしてこの宝物殿の内部見学は、和銅保勝会の団体向け有料ガイドのメニューの一つでした。

和銅保勝会のガイドは現在休止中です

和銅保勝会の公式サイトには、はっきりと「遺跡案内は休止中です。」と掲載されています。申込みフォームの見出しも「和銅遺跡 見学案内申込みフォーム(感染防止の為、休止中)」となっており、案内期間は「休止中」です。

休止前の条件を参考に記しておきます(再開時の目安として)。

  • 「和銅遺跡見学はいつでも自由にできますが、団体様に限り有料ガイドも申し受けしております」
  • 申込みは案内日の10日前まで
  • 案内人数:5名以上
  • 案内料金:高校生以上 300円/人(5〜15人)、16〜30人 250円/人、31人以上 200円/人、小中学生一律100円
  • 集合場所は聖神社
  • 見学コース:聖神社 約10分/宝物庫・鉱物館 約20分/和銅露天掘り跡 約40分/内田家 約30分/金山鉱山 約180分(これも休止中)

つまり「要予約、4名以上で申し込めば和同開珎の実物が見られる」という案内は、人数条件も現在の運営状況も実態と異なります。個人で訪れた場合に宝物殿の中を見られるかは、確認が取れませんでした。

和同開珎のモニュメントと和銅遺跡

見学できるのは和同開珎のモニュメントです。「高さ5メートルもある『日本通貨発祥の地』と記された『和同開珎』のモニュメント」で、国道140号から東へ、聖神社の下を過ぎ、案内板・道標に従って15分程歩いた先にあります。

和銅採掘露天掘跡は埼玉県指定旧跡です(大正11年に県指定史跡、昭和36年に県指定旧跡)。

駐車場は土日祝に渋滞します

秩父市公式が【お願い】として次のように記しています。

  • 「最近、聖神社周辺の道路及び駐車場が大変混みあっており、土・日・祝日には渋滞が発生する状況です。」
  • 「近くに臨時駐車場も設けてあります(市指定有形文化財・内田家住宅 秩父市黒谷299番地)が、駐車スペースの不足が続いておりますので、できるだけ電車やバスなどの公共交通機関でお越しくださるようご協力をお願いいたします。」
  • 近隣のコンビニへの迷惑駐車も問題になっています。「コンビニ内に2台分の大型車(バス含む)の駐車場がありますが、予約は一切受け付けておりません」

観光トイレは「聖神社の境内から石段と坂道を下り、駐車場前の道を挟んだ向かい」にあります。

秩父鉄道の和銅黒谷駅から徒歩15分ですので、土日祝は電車で行くのが現実的です。

社殿も見どころです

「聖神社の社殿」は秩父市指定有形文化財(建造物)です。

一間社流造りの本殿と入母屋造りの礼拝殿からなり、江戸中期の宝永6〜7年(1709〜10)の建築。大宮郷の工匠・大曽根与兵衛の手によるものです。興味深いのは、もともとは秩父市中町の今宮神社本殿だったものを移築改修したという経緯。旧本殿は脇に移され、和銅出雲神社(大国主命)として奉斎されています。

境内には和銅鉱物館があり、和銅関連の鉱石標本350点余り、蕨手刀、黒谷の獅子舞の獅子頭が展示されています。蕨手刀は埼玉県指定有形文化財(考古資料)で、全長44.8cm・刀身32.6cm。

また「黒谷の獅子舞」は秩父市指定無形民俗文化財(昭和32年2月8日指定)。「雨乞いササラ」とも呼ばれ、左甚五郎作と伝わる竜頭が起源とされる岡崎下妻流の獅子舞です。

年中行事

  • 4月13日:例大祭(春季大祭)。大祭後に黒谷の獅子舞を奉納
  • 11月3日:境内社 和銅出雲神社例祭(獅子舞奉納)

2008年1月11日には、和銅奉献1300年を記念した「和銅祭」が斎行されました。

同じ日に寄れる近くのスポット

秩父鉄道の沿線なので、電車で巡るルートに組み込みやすい場所です。

  • 秩父神社(秩父市番場町):秩父の総社。12月2日・3日は秩父夜祭
  • 宝登山神社(長瀞町):秩父三社の一社。ロープウェイで奥宮とロウバイ園へ
  • 和銅黒谷駅:駅自体が「和銅」の名を冠しています
  • 秩父鉄道 パレオエクスプレス:運行日なら蒸気機関車に乗って移動できます
  • 秩父ふるさと館・まちなみ巡り(秩父市中心部):今宮神社も中心部にあります。聖神社の社殿の「もとの場所」を見に行くという楽しみ方も

所在地・お問い合わせ

  • 所在地:埼玉県秩父市黒谷2191
  • 電話:0494-24-2106
  • アクセス:秩父鉄道「和銅黒谷駅」から徒歩約15分
  • 車:関越自動車道「花園」ICより約20分。土日祝は渋滞が発生するため公共交通機関が推奨されています
  • 臨時駐車場:内田家住宅(秩父市黒谷299番地)

※参拝時間・授与所の受付時間・御朱印の初穂料・駐車場の台数・拝観料は、公的な情報源に記載がありません。埼玉県神社庁は「神職が常駐」「御朱印あり」と記載しています。お守りや御朱印をお求めの方は、事前にお問い合わせください。

※和銅保勝会の遺跡案内(ガイド)は休止中です。再開時期は未発表です。

聖神社の情報

こちらは聖神社の基本情報です。実際の情報と異なる可能性がありますので、詳しくは公式サイトなどでご確認ください。


名称 聖神社
読み方 ひじりじんじゃ
所在地 埼玉県秩父市埼玉県秩父市黒谷2191
電話番号 0494-24-0345(秩父市和銅保勝会)
営業時間 神社の見学はいつでも可能
定休日 神社の見学はいつでも可能
アクセス

電車・最寄駅

秩父鉄道 和銅黒谷駅下車、徒歩15分


車でのアクセス

関越自動車道花園ICから約20分

0494-24-0345(秩父市和銅保勝会)
駐車場
公式 聖神社のオフィシャル(公式)サイト
バリアフリー
備考 【最重要の訂正1】旧記事の「和同開珎の実物、和同開珎の製作に至った自然銅採掘跡を見学できます」は危険な記述でした。御神宝(和銅石2個・和銅製の蜈蚣雌雄一対・和同開珎)は境内の宝物殿に収納されており、その見学は和銅保勝会の団体向け有料ガイドのメニューでしたが、そのガイド自体が現在休止中です(公式サイトに「遺跡案内は休止中です」と明記)。/【最重要の訂正2】旧記事の「見学ツアー:要予約、4名以上」は条件も誤り(休止前の条件は5名以上・団体限定・高校生以上300円/人〜)。/【安全情報】秩父市公式が「落石の危険があるため沢への立入りを禁止」「銭洗い等で沢へ入るのはご遠慮ください」「露天掘跡を上から見学する山道は現在立入禁止」と明記しています。銭洗いを勧める記述は絶対に書けません。/【訂正3】住所が「埼玉県秩父市埼玉県秩父市黒谷2191」と重複していました。正しくは「埼玉県秩父市黒谷2191」。/【訂正4】電話番号は公的3情報源すべて 0494-24-2106 です(旧記事の0494-24-0345は裏付けなし)。/「和同開珎の雌型」は公的一次情報に一切出てこないので書いていません。/郵便番号は秩父市公式が368-0041、秩父観光協会・和銅保勝会が368-0001で不一致。黒谷地区は368-0001系と思われますが未確定なので書いていません。/参拝時間・授与所の時間・御朱印の料金・駐車場の台数・拝観料はいずれも公的情報源に記載がありません。埼玉県神社庁は「神職が常駐」「御朱印あり」と記載。要電話確認。/公式サイトはFacebookページのみで、ログインなしでは閲覧不可のため本文でURLを案内していません。


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