鴻神社(こうじんじゃ)は鴻巣駅から徒歩8分の市街地に鎮座する神社です。こうのとり伝説を今に伝え、子授け・安産祈願の社として知られています。

「鴻巣」の地名の由来——公式は二つの説を併記しています

こうのとり伝説はこう伝わります。この地に「木の神」と呼ばれる大木があり、供物を怠ると災いを起こすと恐れられていた。そこにこうのとりが巣を作って卵を産んだところ、大蛇が食べようとしたため、こうのとりが戦って追い払った。以後、災いがなくなり、里人は木の下に宮を作って「鴻の宮(こうのみや)」と名づけた——。

ただし興味深いのは、神社の公式自身が学術的な由来も併記していることです。

公式サイトは「『こうのす』は『国府の洲(こくふのす)』が転じたもので、後に『こうのとり伝説』から『鴻巣』の字が当てられた」という説を紹介しています。古代の武蔵国造や水運の発展が背景にあり、国府のお宮を「国府宮(こうのみや)」と呼ぶ例が全国にあることから、こうのとりのお宮は本来「国府の宮」であった可能性を示唆しています。

伝説を由来として断定するのではなく、二つの説があると知っておくほうが、この神社への理解は深くなります。

総銅造りなのは「三狐稲荷神社」です

ここは誤って伝わっていることが多い点です。「木材を一本も使わない総銅造りのお宮」は、本殿ではなく境内社の三狐稲荷神社(さんこいなりじんじゃ)です。

公式サイトは「三狐稲荷神社…総銅造りのお宮で、木材一本使っていません。明治時代の職人の心意気を示す精巧な細工で、現代の職人では再現がとても難しい造りです。作られてから約100年経っています」と記しています。

三狐稲荷神社は天狐・地狐・人狐の三狐を祀り、良縁を結び悪縁を断つご利益があるとされます。境内に入ったら、ぜひこの小さな社を見てください。

神社の成立——明治6年の合祀から

鴻神社は明治6年にこの地と近隣3か所の神社を合祀して成立した「鴻三社」が元で、明治40年4月8日に社号を改めて「鴻神社」となりました。単独の創建年がある神社ではありません。

合祀された3社は次のとおりです。

  • 氷川社(スサノオノミコト)=鴻の宮氷川明神。鴻巣郷総鎮守で、古墳時代末期の創建とされます。こうのとり伝説を伝えるのはこの社
  • 熊野社(ハヤタマノオノミコト)=創建不明。永禄4年(1561)に深井対馬守景吉が紀州熊野から霊土と御神燈を持ち帰った記録があります
  • 雷電社(ワケイカヅチノミコト)=現在の鴻神社の地にあった「竹の森雷電社」

子授け・安産祈願

子授け祈願はこうのとりのご神像の前で祈祷し、ご神前の「たまごのご神塊(ごしんかい)」に手をかざすという作法です。このご神体は数百年を経た大杉から造られたご神卵で、高さ約50cm、幅80cm、重さ約100kgという堂々としたもの。

子授け・安産祈願には「松・竹・梅」の3コースがあり、「松」にはこうのとりのぬいぐるみが付きます。

安産祈願は戌の日に限らずいつでも受付しており、持参した腹帯に安産の判を押してもらえます。公式サイトには令和8年(2026年)の戌の日カレンダーも掲載されています(月2〜3日)。

「卵」の授与品

こうのとりにちなんだ授与品が特徴的です。

  • こうのとりのたまごお守り
  • お願いたまご:お願い事を書き入れ、たまごの中に収めて奉納します
  • 子授けのお守り、安産のお守り2種、クリスタルこうのとりお守り、こうのとりみくじ、こうのとり絵馬など

また「こうのとりのたまごお守 納所」があり、夫婦銀杏のふもと、旧鴻の宮のすぐ脇の小さな社に、1年経過したお守りを納めます。

酉の市は12月4日

年間の祭事で最も賑わうのが12月4日の酉の市です(公式サイトで現在も12月4日と明記されており、日付の変更はありません)。

社殿の脇にそびえる大イチョウの下で熊手を販売し、夕方からはもちつきと富くじが行われます。

そのほかの年間祭事は次のとおりです。

  • 初午祭:2月と3月の午の日(境内社・三狐稲荷神社の祭)
  • 初山祭:7月1日。生後1年前後の子の健康祈願で、額に魔よけの朱印を押し、うちわを授与します。都合によりいつでも受付可
  • 鴻巣夏まつり:7月中旬の3日間。中山道中心。歩行者天国の日曜は12基の神輿が出ます。300年以上の歴史
  • おおとりまつり:10月中旬。もと鴻神社の秋の例祭。屋台の引き回し、こうのとり伝説のパレード、ストリートパフォーマンス

なんじゃもんじゃの木と夫婦銀杏

境内にはなんじゃもんじゃの木があります。モクセイ科ヒトツバタゴ属の一種で、日本では希少種の一つ、絶滅危惧II類に指定されています。

開花は4月下旬頃から5月中旬頃。公式は「鴻神社では毎年ゴールデンウィークあたりが見頃」としています。プロペラ型の白い花が咲き、満開時は雪に覆われたような姿になります。木の下には「なんじゃもんじゃ稲荷(大花稲荷)」があり、願い事を書いて奉納できます。

社殿の両脇には樹齢500年以上の夫婦銀杏(イチョウの雄木と雌木)。子授け・安産、健康長寿、夫婦円満の御神木です。

ほかに幸の宮弁天社(宝暦13年=1763年に祀られる。市杵嶋姫命。開運招福・金運招来・諸芸上達)、宿神社(鴻巣宿の宿場を守る神。社殿内で個別に心願成就特別祈祷を受けられます)があります。

御朱印の種類が豊富です

公式サイトに掲載されている御朱印は次のとおりです。

  • 通常御朱印(鴻神社・三狐稲荷神社・疱瘡神)
  • 季節限定御朱印(2種)
  • 見開き切り抜き御朱印、見開き浮世絵風御朱印、ひのき御朱印(2種)
  • 境内社御朱印(三狐稲荷神社・幸の宮弁天社)、透明御朱印、金御朱印、切り絵風御朱印
  • 御朱印帳(紫・赤・黄・緑・黒の5色、オリジナル)

ただし初穂料は公式サイトに記載がありません。種類だけ掲載されている状態なので、お目当てがある方は事前にお問い合わせください。

同じ日に寄れる近くのスポット

  • 勝願寺(鴻巣市本町):徳川家康ゆかりの浄土宗の寺。11月14日は関東三大十夜の十夜法要と人形供養
  • 鴻巣市産業観光館 ひなの里:鴻巣のひな人形の歴史を伝える施設
  • 鴻巣花久の里:和風庭園とバラ園。うどん処「花鷹」
  • 吹上・荒川水管橋:日本最長の水管橋(架け替え工事の状況は事前確認を)
  • 玉敷神社・總願寺(加須市):車なら30分圏内

所在地・お問い合わせ

  • 所在地:埼玉県鴻巣市本宮町1-9
  • 電話:048-542-7293(受付 9:00〜16:00)
  • 公式サイト:https://www.koujinja.or.jp/
  • アクセス:JR高崎線「鴻巣駅」東口から徒歩約8分
  • 車:首都圏中央連絡自動車道「桶川北本」ICより約25分
  • お守りの授与・ご祈祷の受付:9:00〜16:00
  • 参拝者専用駐車場あり(混雑時には利用できない場合があります)

※御朱印の初穂料と受付時間、初詣の期間・交通規制については公式に記載がありません。事前にお問い合わせください。

鴻神社の情報

こちらは鴻神社の基本情報です。実際の情報と異なる可能性がありますので、詳しくは公式サイトなどでご確認ください。


名称 鴻神社
読み方 こうじんじゃ
所在地 埼玉県鴻巣市本宮町1-9
電話番号 048-542-7293
営業時間 常時開放
定休日 なし
アクセス

電車・最寄駅

JR高崎線「鴻巣駅」下車 徒歩約8分


車でのアクセス

首都圏中央連絡自動車道「桶川北本」ICより約25分

048-542-7293
駐車場
公式 鴻神社のオフィシャル(公式)サイト
バリアフリー
備考 【訂正】旧記事の「総銅造りのお宮で、木材一本使用しておらず」は本殿の説明としては誤りです。総銅造りなのは境内社の三狐稲荷神社です(公式明記)。本文で正しました。/地名の由来について、公式自身が「国府の洲(こくふのす)」説を本来の由来として併記しています。こうのとり伝説を由来として断定しないよう書き換えました。/酉の市は12月4日で変更なし(公式で確認)。/成立は明治6年に3社を合祀した「鴻三社」で、明治40年4月8日に「鴻神社」へ改称。単独の創建年を書くのは不正確です。/御朱印は種類が非常に豊富に公式掲載されていますが、初穂料(金額)が一切記載されていません。要電話確認(048-542-7293)。受付時間も御朱印については明示なし。/駐車場は「参拝者専用駐車場あり・混雑時には利用できない場合がございます」とのみで、台数・料金の記載なし。/初詣は公式の年間祭事に項目があるだけで、期間・時間・交通規制・臨時駐車場の記載が一切ありません。例年情報も一次情報では確認できませんでした。


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